第1章
日本茶文化の起源と目標
茶はどこから来て、どこへ向かうのか
日本の茶は、はじめから「日本のもの」だったわけではありません。中国から禅とともに渡り、都で様式を与えられ、やがて山あいの暮らしのなかにも別の形で根を下ろしました。
この章では、その成立の過程を六回に分けてたどります。茶の湯という洗練された文化の背後に何があったのか、近代の機械化と情報化が職人の手から何を移し替えたのか。そして、大きな転換期にある現在、私たちが茶をどう受け取り直すのか。歴史を扱いますが、目的は過去の整理ではなく、これからの茶の道を見定めることにあります。
この章のレッスン(全6回)
- 01 日本茶文化の黎明 日本に茶がもたらされた経緯と、その背景にある禅的思想がどのように成り立っていったのかをたどります。
- 02 茶禅一味と茶の湯 鎌倉時代以降に形づくられた茶の湯と日本茶文化について、その構造と本質を読み解きます。
- 03 「日常茶飯事」のお茶 利休らによって完成した都の茶文化が、江戸時代以降どのように全国へ広がり、暮らしのなかの「日常茶飯事」になっていったのかを追います。
- 04 お茶作りの情報化と製茶 近代以降、お茶作りが工業化・情報化していく過程で、職人の知恵と感覚がどのように理論へと置き換えられていったのかを見ます。
- 05 晩茶と茶文化の目標 都から生まれた抹茶・煎茶に対して、山に生きる人々が育てた「晩茶」というもう一つの系譜を紹介し、茶文化が目指してきたものを考えます。
- 06 転換期に面しての茶の道 過去からの叡智と極度に発達したテクノロジーが交差する転換期に、お茶を通してこの時代とどう向き合うのかを考えます。