第6章
音で心身を調律する
声を整えてから、茶を淹れる
なぜ茶と気功の場で、音の話をするのか。声や言葉の音は、私たちの内側と外側のあらゆる「動き」に先立つからです。意図を込めて発せられた声は対応する「気」を呼び起こし、整えられた気が身体と感情に及んでいきます。
この章では、マントラを神秘的なものとしてではなく、「身体と心に作用する特殊な振動」として現実的に扱います。音を物理現象として捉えたうえで、呼吸と自律神経の関係をふまえた唱え方を学び、最も基本的な「OM」の発声を身につけます。お茶を淹れる前のひとときに声を整えることが、茶葉の味わいをより深く受け取る準備になります。
なお、ここで扱うのはあくまでウェルネスの実践であり、医療行為や治療を目的としたものではありません。体調に不安のある方は、事前にかかりつけの医師にご相談ください。
この章のレッスン(全4回)
- 01 音で心身を調律する 『ウパニシャッド』のオームから、ズィクル、真言、六字訣、琉球の神歌まで。なぜ茶と気功の場で音を扱うのか、その理由と、安全に実践するための前提を述べます。
- 02 マントラことはじめ マントラを神秘ではなく「身体と心に作用する特殊な振動」として捉えます。七つのチャクラに対応する種子音と、A・U・I・Mの発声が身体のどこに響くのかを確かめます。
- 03 マントラ実践 ゆっくり長く、そして静かに。吐く息と副交感神経、心拍変動(HRV)の関係をふまえた、心地よく効果的なマントラの唱え方の基本を学びます。
- 04 超基本のマントラ「OM」をマスターする 「OM」は「AUM」。縦に響くA、横に広がるU、内へ収束するM。三つの方向性をつなげ、滑らかに発声するための具体的な手順を扱います。