茶功アカデミー

第3章 · 5 / 8

お茶の有効成分 中編

苦味・渋味の主役であるカテキン。EGCGの抗酸化作用、メチル化カテキンの抗アレルギー作用など四つのタイプの性質と、茶種による含有量の違いを解説します。

お茶の本質である「苦味・渋味」の主役はカテキンです。
カテキンはポリフェノールの一種で、茶葉の乾物重量の10〜20%を占め、お茶の風味と健康機能の中核をなしています。

カテキンには主要な4タイプがあります。
エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、そしてこれらにガレート基が結合したエピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキンガレート(EGCG)です。
この中でもエピガロカテキンガレート(EGCG) は特に多くの研究がなされています。
EGCGが注目される理由の一つが、強力な抗酸化作用です。
体内で過剰になった活性酸素は細胞に酸化ストレスを与え、老化や様々な疾病の原因の一つとなります。
これを抑制する働きが抗酸化作用です。

研究では、EGCGがLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑制し、動脈硬化のリスク低減につながる可能性や、緑茶を継続的に飲用することで体内の酸化ストレス指標が改善したという報告があります(※ヒトにおける効果の程度やメカニズムを確立するには、さらなる研究が必要です)。

EGCGは、緑茶や白茶に多く含まれる傾向があります。
特に、新茶の芽や、上級な煎茶など、茶芽の先端部分を多く使用したお茶に豊富です。
また、メチル化カテキンは、強い抗酸化作用や抗炎症作用に加えて、抗アレルギー作用が特徴的なカテキンです。

具体的には、花粉症などのアレルギー症状の原因となるヒスタミンなどの化学伝達物質の放出を抑える働きが報告されており、EGCGと比較してより強力にこの作用を示したとする研究もあります。

このメチル化カテキンは、特定の茶樹品種に特異的に多く含まれる成分です。
日本の品種では「べにふうき」 や 「べにほまれ」 などが知られています。

メチル化カテキンは、茶葉の酸化発酵の過程で減少してしまうため、不発酵茶である緑茶の状態で飲用することで、その成分を最も効率的に摂取することができます。
さて、カテキンは、酵素による酸化(発酵)によってその形を変えます。
紅茶、ウーロン茶、プアール茶などでは、カテキンが重合し、テアフラビンやテアルビジンといった別のポリフェノールに変化します。

紅茶のテアフラビン(赤色・渋味)やテアルビジン(褐色・旨味)、プアール茶のテアブラウンなど、発酵茶のポリフェノールは多彩で、お茶の色や味わいを特徴づけています。
これらの重合したポリフェノールは、小腸では吸収されにくい傾向があります。
そのため大腸にまで到達し、腸内環境に対してプレバイオティクス様の作用(腸内細菌のエサとなり、善玉菌を優位にする)をする可能性が報告されています。

具体的には、胆汁酸の排泄を促進し、それを作るために体内のコレステロールが消費されるため、結果的に血中コレステロールや体脂肪の低減に寄与すること、また、特定の腸内細菌の活動を調節することについての可能性が注目され、研究の対象となっています。

また、発酵の過程でカテキンが変化することで味わいがまろやかになることから、紅茶やプアール茶などは緑茶に比べて胃への刺激が穏やかと感じられる方も多く、体調や時間帯に合わせて飲み分けるのも一つの智慧です。

カテキンについてよく知ることは、お茶を正しく飲み分ける上で重要です。
どのお茶のカテキンが、どの状態の自分に合っているのか、観察してみてください。