茶功アカデミー

第2章 · 1 / 5

はじめに 〜 モンスーンアジアの風土と食事

インドから日本、チベット高原からインドネシアまで。お茶の主要産地が集まるモンスーンアジアの風土と、そこで育った食文化の輪郭をつかみます。

インドのカレー、ベトナムのフォー、日本のお蕎麦、寿司。
アジアの食文化は実に多彩で、それぞれの土地の気候・歴史・人々の価値観が映し出されています。
文化人類学者の石毛直道は「食は文化を移す鏡である」と述べました。
食事は単なる栄養補給ではなく、ヒトが環境適応のために培った、知恵の結晶といえます。
茶功アカデミーが注目する舞台は「モンスーンアジア」です。
お茶の主要産地のほとんどがこの地域にあり、温暖湿潤な気候のもとで独自の食文化が発達してきています。
発酵食品や香辛料の利用、稲作文化、ヤシやイモを中心とした根菜農耕、漁撈や焼畑といった暮らしの技術が複雑に絡み合っています。
モンスーンアジアの範囲については、明確な定義が難しいですが、ここでは西はインドから東は日本まで、北はチベット高原から南はインドネシアにかけての広大な地域を指します。